刺客の影
アルフルールの戦い
トロワの戦い
ピレネーの戦い

ゲーム中の文字が小さくて読めない人のために
イングランド軍には、要人暗殺を防ぐという特殊な役目を担うものがいた。
イアマールという名のまだ若い女で、かつては黒太子エドワードの命を狙ったこともある暗殺者だった。
その腕を見込まれ、今では逆に黒太子に従えている。

そのイアマールが傭兵たちの噂に上がったのと同じ頃、イングランド本国より、大陸での戦線に派遣された騎士がいた。
名はヘンリー・パーシー。
「熱き拍車」とあだ名される猛将で、敵に一切の容赦をしない、苛烈な戦い方をする。

イアマールとパーシー、その2人は、ノルマンディの戦場で初めて、交錯した。
パーシーは、暗殺者という存在そのものを嫌悪し、蔑んだ。
イアマールは、己にふさわしい主君であるか否かを試すという理由だけで黒太子に刃を向けた、パーシーを危険視した。

あるとき、黒太子は、シャンパーニュ地方に群を進駐させた。駐留するフランス軍を叩くだけの易しい戦いのはずだった。
しかし、攻めに重さを置き過ぎたためか、手薄になった本陣を暗殺者の一団に襲われた。
助力を乞うイアマールに応え、駆けつけたパーシーらの活躍で、暗殺者を退けた。
黒太子の身も無傷ではなかったものの、大事には至らなかった。
戦闘後、黒太子エドワードの下には、憮然とするパーシーの姿があった。
機敏に退くことをしなかったのはなぜなのか、危険を招くことは自明だったはずだ、との問いに、黒太子は笑って答えた。
「仲間が来てくれる事を信じていたからだ」と。
パーシーは愕然とした。
触れるものすべてを斬り捨てる自分を、丸ごと呑み込み、信じ、仲間と呼ぶ。
その黒太子の器に比して、身勝手に尖っていただけの自分の、何と卑小なことか・・・。

シャンパーニュの戦いの後、イアマールが黒太子の下から姿を消していた。
黒太子を襲った暗殺者が、かつて、自分が旗を置いていた組織の者たちであることを知り、自責の念にかられたためであった。
イアマールが、たったひとりで暗殺者たちのもとへ向かったことを知ったパーシーは、自ら傭兵を雇い、彼女の救出に赴いた。

暗殺者たちを討ち果たしたイアマールにパーシーは剣を振るった。
ひとりでの戦いに疲労困憊したイアマールは、その剣戟に武器を弾かれ地に倒れる。
うなだれるイアマールに対して、パーシーは言い放った。
「刃は戻る鞘があってこそ切れ味が保たれる抜き身の刃ほど脆いものはない」
「仲間の元へ戻れ」と続けるパーシーの言葉は、黒太子という鞘を得た、もう一つの刃・・・自分に向けた言葉でもあった。
-おわり-

ゲーム中の文章より
ブレイドストーム詳細攻略水の都