レンヌの戦い
ロンズウォーの戦い
ポンヴァヤンの戦い

ゲーム中の文字が小さくて読めない人のために
平和の水は凡夫を育み、戦火の炎は才気を呼ぶ・・・。
ベルトラン・デュ・ゲクランは、戦乱のフランスに来た奇才のひとりだった。
下級とはいえ貴族の出でありながら、戦場では騎士よりも傭兵と行動することを好み、奇抜な戦術を描き出すことに喜びを得る。
自称、「戦の天才」。
鎧に輝く双頭の鷲は、この人物の天衣無縫な軍才を象徴しているようだった。

あるときイングランド軍に包囲されたレンヌを解放すべく、救援の軍が派遣された。
これを率いたデュ・ゲクランは、市街を取り囲んだ敵の布陣を一瞥するや、策を見出す。
それは、レンヌを包囲している敵軍をさらに外側から取り囲む戦術だった。
一方的勝利を確信していたイングランド軍は、油断していた後方の守りを突き崩され、敗走を余儀なくされた。
自らの才で街ひとつを救ったデュ・ゲクランは、寄せられる感謝の声を愉しみながら、ずっしりとした充実を噛み締めるのだった。

しかし、才気あるものの常か、デュ・ゲクランは、その性格に難があった。
褒められ、頼られることは滅法好きだが、軽んじられることには我慢がならない。
ピレネーの敵陣深くに取り残されたペリー公の救出を依頼されたデュ・ゲクランは、頼りにされているのならばとそれを快諾し、傭兵を引き連れ出陣した。
が、どこで行き違いがあったのか、ペリー公は自力で脱出する準備を整えており、逆に「敵の目を集めることになろう」とデュ・ゲクランを責めた。
デュ・ゲクランは激昂した。
「戦の天才」がわざわざ出張ったにも関わらず、感謝どころか非難されるとはどういうことだ?
こんな思いをさせられるくらいなら、もう二度と他人のためには働かぬ。
言い捨てて、デュ・ゲクランはぱったりと姿を消してしまった。

直情的なデュ・ゲクランを補佐すべく側近を務める人物・・・ジャンは、デュ・ゲクランという男はきっかけさえ与えてやれば、すぐに戦場に戻るだろうと考えていた。
何しろ、あれだけ戦が好きな男だ。戦場に出ないままでいることに満足しているとは思えない。
酒場でふて腐れていたデュ・ゲクランを発見したジャンは、まだあの貴族が許せないと女々しく文句を言うデュ・ゲクランを静かに論す。
お前が戦うのは貴族のためか?お前の喜びになるのは貴族による褒賞なのか?
違うはずだ。お前は、市村の人々の純粋な感謝のためにこそ戦う男だったはずだ・・・。
ジャンの言葉を受け、デュ・ゲクランは立ち上がった。
笑っていた。

自ら「戦の天才の、復帰の一戦」だと位置付けたポンヴァヤンの戦場で、デュ・ゲクランは再びその才気をほとばしらせ、奇抜な戦術を採った。
自軍の本陣の守備を放棄し、人そのものをおとりにしたのだった。
本陣を指揮するのは、誰あろう、ペリー公である・・・。
そう、このデュ・ゲクランの戦術は、ひとつには勝利のため、ひとつにはペリー公に対するささやかな復讐のために採られたものだった。
おとりとしての本陣に釣られた敵の間隙を突くことで、見事な勝利を挙げたデュ・ゲクランは、気色ばみ戦術を非難するペリー公を一喝する。
俺が戦うのは、お前ら貴族からお褒めの言葉を賜るためじゃない。
市井の「おっちゃん」「おばちゃん」が喜んでくれるからこそ、命をとして戦えるのだ。
言葉に詰まるペリー公を尻目に、デュ・ゲクランは、意気揚々と戦勝の宴へ向かった。
-おわり-

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