政敵襲撃
用心棒
お手並み拝見

ゲーム中の文字が小さくて読めない人のために
かつて東方の地から、大陸全土に覇を唱えんとした国家があった。
「狼」とあだ名される指導者に率いられた、騎馬民族の国・・・
モンゴル帝国である。
その名は、はるか西のこの地でも畏怖とともに語り継がれていた。
少年傭兵ナランは、そのモンゴル帝国の血を引いていることを誇りとしている。
しかし、彼の言動からは、狼の猛々しさを認められず、狡猾さと高い矜持が目立つばかりだった。
ナランは、自ら戦場に出て戦うことをしなかった。
もっぱら、依頼を出す貴族たちと、依頼を受ける傭兵たちとの仲介をこなしていた。
傭兵たちへの報酬から、幾分かの上前を得ることで、日々の糧を得ていたのだった。

命を懸けて戦場に出る傭兵たちにとって、ナランの生業は、腹に据えかねるものだった。
ナランの仲介する仕事が、高い報酬を約束するものだとしてもだ。
それは、傭兵たちの誇りの問題と言ってもよかった。
さらに悪いことに、ナランは、そのモンゴルの出自を誇る驕慢な態度を取る。
それが一層、傭兵たちを苛立たせるのだ。

しかし、ナランには、そのことを気に病む様子もない。
いよいよ我慢できなくなった傭兵たちが、力ずくで懲らしめてやろうと結託したこともあったが、当のナランは金を積み、護衛の傭兵を雇って、涼しい顔をしていた。

そんなナランを変えたのは、ある女騎士のひと言だった。
彼が肩書きのように使っていた「モンゴルの誇り」の、一番深い部分を刺激したのだろう。
自らは危険を冒さずに、他人の働きの上前を得るようなやり方を、とある依頼の雇い主であった女騎士から痛烈に面罵されたのだ。
ナランは珍しく、深く落ち込んだ。
とりわけ堪えたのは、「モンゴルの父祖が泣くぞ」と言う言葉だった。
凛とした怒りの姿を見せた女騎士に、ナランは惚れた。
「あんな女の人に認められたい・・・ひとりの、男として」
そのささやかな願望が、ナランの誇りを刺激し、戦場へ出ることを決意させた。
彼が「狼」たちの遺産を、父祖に恥じない形で体現させるのも遠いことではないだろう。
猛き血筋は、確かに受け継がれているのだから。
-おわり-

ゲーム中の文章より
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