ロワール河畔の戦い
新書を追え
このミッションは時間がかかるが、1日で完了させる必要はない。契約期間内に達成させればいいので慌てる必要はない。傭兵は長剣兵と槍兵のみなので戟兵か騎兵を雇っておくといい。
パリの戦い
フォルミニーの戦い

ゲーム中の文字が小さくて読めない人のために
フランス王国将軍、アルテュール・ド・リッシュモン。
名家の出であり、目覚しく秀でた才を誇る彼は、王からの信任も厚かった。
一方、出自の割に人柄が気さくであるところから、傭兵たちの人気も集めている人物だ。

オルレアン解放後も、ロワール河畔に残存するイングランド勢力を掃討する軍を率いたのが、このリッシュモンであった。

戦いに望むにあたり、リッシュモンは傭兵の定石を覆し、兵力を東西に二分した。
疑問の声を上げる兵もいたが、リッシュモンはただ「自分を信じてほしい」と頭を下げるばかりで、作戦の意味を説明しようとしなかった。
戦闘後、オルレアン市内を歩くリッシュモンに、参軍していたアランソン公が詰め寄る。
危険を冒してまで、兵力を分断した理由は何のためだったのかと。
リッシュモンは、オルレアン市民への配慮したためだと言外にほのめかす。
オルレアンは一度戦火に飲まれている。市民は危機に対して過度に敏感になっている。
兵を東西どちらかに集中させてしまえば、市民は、逆の方角の防備を不安に思うだろう。
だからこそ、我々は東西に散開して戦う必要があったのだ・・・。
民の心情さえも作戦に組み入れるその深慮に、アランソン公は言葉もなかった。

才気走る人物を光とすれば、影には、その高評を妬む凡愚が必ず存在するものだ。
リッシュモンもまた、例外ではなかった。
ある貴族が、リッシュモンの紋章を入れた新書を偽造し、イングランドに当てて送った。

リッシュモンの側近ヨウジィが機敏にもそれを察したことで、新書は差し止められた。
が、「リッシュモンの紋章が入った新書が敵国に送られた」という事実は生じた
その既成事実こそが、リッシュモンを妬む貴族の狙いだったと見ることもできよう。
真相はどうであれ、内通者として疑われるだけでも、風評に曇りは出る・・・

その一件は、やがてフランス王の耳にまで届いた。
「信任厚きリッシュモンに、内通の疑いあり」
これを、王はどのように判断するのか?
貴族のみならず傭兵たちの間でも、事の顛末を心配する声は増えてきている。

そんな折、イングランド軍が奇襲によりパリを占拠した。

国の威信に懸け、総力を上げて首都を奪還せねばならぬ状況の中、フランス王が命じる。
リッシュモンを将軍職から罷免する。
兵卒として哨戒の任に当たれ、と・・・
将軍職を解かれてなお、リッシュモンは出色の活躍を見せる。
その慧眼にて敵の増援を防ぎ、パリの奪還に大いに貢献した。
しかし、その働きは王には認められず、将軍職への復帰は叶わなかった。
リッシュモンを内通者と見ての冷遇なのか?それとも・・・
心配を寄せる周囲をよそに、リッシュモンは飄々としている。

その後、首都を蹂躙された雪辱を果たさんと、王はノルマンディに兵を差し向ける。

リッシュモンも参戦するが、やはり軍の中心には戻されず、主要な作戦には加われない。
しかし、リッシュモンはその立場を十全に活用するがごとく、自由に戦場を駆ける。
結果、戦局を決定付ける働きを見せ、フランスに勝利を運んだ。
戦闘後にフランス王とリッシュモンが交わした言葉から、ついに、2人の真意が見えた。
リッシュモンの才を妬む声を危惧した王は、一計を案じ、あえて彼を罷免した。
将の名から解放されたリッシュモンは、その才が命ずるまま、奔放に戦うことができた。
結果としてリッシュモンは、卑小な企みでは左右できないほどの絶対的な戦果を上げた。
配下の才を信じ、重く取り立てたいからこそ、罷免という手段を選んだフランス王。
王命の言外の意図をも汲み取り、その信頼に完璧な形の応えたリッシュモン。
2人の深慮が、あるべき形の結実を見た瞬間であった。
雲が流れていた。
-おわり-

ゲーム中の文章より
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