オルテスの戦い
女の敵
二つの進入拠点を行ったりきたりすればいい。騎兵なら、オーズ砦を制圧しなくても問題なく移動できるのでオススメ。
ル・ピュイの戦い

ゲーム中の文字が小さくて読めない人のために
長く続く戦火の部隊に上がる演者は、男だけとは限らない。
女に生まれようとも、信念を胸に戦場を駆ける傑物がいた。
そのひとり、イングランドのフィリッパは、女ながらに将軍職を任されていた。
腕が立つ上に度量も広く、さらに美貌も兼ね備えるフィリッパは騎士のみならず、傭兵たちからも幅広く慕われていた。

例えばフィリッパは、傭兵を使い捨てのこまとして扱わない。
ばかりか、戦況に応じて、騎士ではなく傭兵を主軸に置く戦術さえ採ることがあった。
自分を含む騎士たちをおとり役として、傭兵たちに敵の本陣を攻め落とさせる・・・。
貴族としての誇りを振りかざし、傭兵を軽く見る騎士や将軍たちがいまだ多い中、そのような采配を振るうフィリッパが傭兵たちの人気を集めたのは、むしろ当然のことであった。
その頃、ベッドフォード公なるイングランド貴族の名が傭兵たちの口端に上っていた。
この人物、公爵としての権力を笠に着て、女性の騎士や傭兵に関係を迫る卑俗な男だ。
だが、爵位持ちの貴族を正面から糾弾できる者もなく、野放しにされていた。

しかし、ついに、ベッドフォード公の歪んだ性根に対する不満が噴出した。
傭兵たちに対して、匿名の依頼が出たのだった。
「ベッドフォード公を痛めつけてほしい。徹底して頼む」
ある傭兵がこれを請け負い、戦場にて執拗に公を狙い撃ちした。
結果、ベッドフォード公は、ほうほうの体で逃げ帰ることとなった。
事後、依頼を受けた傭兵をねぎらうため、酒場を訪れた依頼主は・・・他ならぬ、フィリッパだった。
フィリッパも、公から関係を迫られていたひとりだった。
が、騎士という立場上、上官に当たる人物に自ら手を下すわけにはいかない。
そこで傭兵を頼り、匿名で依頼を出したというのが事の真相だったらしい。
溜飲を下げたフィリッパは、痛快な笑い声を酒場に響かせた。
朗々と高らかに。
まるで、依頼の主が自分であったということを、知らしめたいト願っているかのように・・・。
実際、傭兵たちは、口さがない。
フィリッパが望むと望まぬに関わらず、問題の依頼を出したのがイングランドの女将軍らしいということは、じきに公の耳にも届くことになるのだった。

自分の求愛を拒絶したばかりか、こぶしさえも振り上げたフィリッパに対して、ベッドフォード公は、上官としての権限を用いた陰湿な復讐に出た。
フィリッパとその部下に、過酷な作戦行動を課したのだ。

理不尽な理由から苦境に追いやられながらも、抗弁することすら許されない。
フィリッパの中に、騎士という立場を疎ましく思う感情が芽生え始めていた。
かように窮屈な思いをするくらいなら、いっそ、一介の傭兵として生きるか・・・。
しかし、フィリッパは踏みとどまった。
それをさせたのは、どこまでも彼女を信じ、慕い、従うことを誓う部下の存在だった。
くだらぬ私事から、死地に赴かせてもなお、純粋なまでの忠誠を、彼らを放り出すことなど、できるわけもない。
フィリッパは覚悟を固めた。自分は騎士のまま精一杯生きて、そして死のう。
後に「払暁の才女」と称されることとなるフィリッパが、改めて刻んだ思いであった。
-おわり-

ゲーム中の文章より
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